住宅性能に関する知識はこの一冊でOKです。
目次
第1章 一生に一度の最大の買い物で失敗しないために
第2章 トクする家づくりは住む人にやさしい環境から
第3章 安心・安全のためにも家屋を支える土台にも目を向ける
第4章 住宅会社によってマイホームの品質が大きく変わる
第5章 土地や建物以上に重要⁉ マイホームを建てるために欠かせないお金の話
巻末特別付録:住宅会社の技術力・サービス力チェックシート
「個人の消費者が、住宅を納得し、安心して取得(購入)、居住(運用)、住替(売却)できる環境をつくる」ことを目的に、住宅会社向けに、そして消費者向けに、それぞれ「本当にいい家の建て方」を発信、啓蒙、支援している柿内氏、川瀬氏が書かれた本です。
いい家の条件とは、資産価値が高いこと。資産価値が高い家とは、耐久性とデザインに優れ、省エネ性能が高く、メンテナンスが最小限で済む家のことであり、これら条件の中で最も重視されている省エネ性能、つまり、断熱性、気密性、換気性能に優れていることが最も重要である。この基本的な考えの元、どのように”いい家づくり”をしたら良いか、日本の住宅性能と海外の住宅性能との比較から、住宅性能の指標となる値、地盤調査の重要性、住宅会社の選び方、住宅資金の考え方を論理的かつ簡潔に説明しています。
住宅性能の指標となるQ値、Ua値、C値、断熱材の種類による違いなど、専門的で分かりにくい内容を簡潔に説明されており、この本1冊で、住宅性能に関する知識は、その背景も含めて十分に理解できると思います。実際、我が家の建築の際にC値測定を行ったのは、この本を読んだおかげであり、今振り返っても、「あの時、C値測定を実施して正確な値を把握できて本当によかったなぁ」と思っています。
また、住宅資金に関しては、まず初めに住宅ローンを組める”総額”があり、その次はいい家を建てるための”建物価格”の算定が先であり、”土地価格”は一番最後。つまり、「住宅資金準備総額ー建物価格=土地価格」で計算してから土地を探すべきであり、最初に土地を探して、残った金額で家を建てるというのは好ましくない。いい家を建てるためには”建物価格”、特に住宅性能に関する部分は、決して妥協してはならないという主張は、非常に参考になりましたし、実際にその通りにして本当によかったと思っています。
”マイホームを建てたいけど、何を指標にしたらよいかわからない”、”Ua値、C値などはなんだか難しそうでよくわからない”といった方には、非常に読みやすく、かつ200ページ程度ですので、おすすめします。
なお、巻末特別付録の”住宅会社の技術力・サービス力チェックシート”も非常に使い勝手がよく、良い住宅会社/工務店を選ぶ際には参考にされると良いと思います(このチェックシートを用いれば、少なくとも住宅会社/工務店選びで間違えることは、まずないと思います)。
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